就学までに出来るようになっておきたいこと

2020年9月21日

文部科学省の学習指導要領において、ひらがなは小学校に入学してから習うということになっています。ですので公立幼稚園や公的な立ち位置のこども園などでは指導されないでしょう。(勝手に指導できないということなのかもしれません)
私立幼稚園ではドリルをやったりするところもありますね。
保育施設は厚生労働省の管轄下となります。保育施設対象のセミナーなどに行くと、『保育園出身の子はついていけない』と小学校側から言われるので、保育の中でひらがなの読み書きを取り入れておくべきとの話をされます。
実際に小学生の息子の経験から、入学時にひらがなは書けるようにしておかないと、出だしから苦労してしまうということを実感しました。
入学してすぐに、翌日の時間割や持ち物を連絡帳に書いて持ち帰るようになります。
年長さんですと自分の名前は書ける子が多いですが、連絡帳の行に収まる小さい字で書ける子はどれくらいいるでしょうか。
入学したらいきなり小さい字を書けるようになるかというと、それまでに運筆などで鉛筆をしっかり持つ訓練が出来ていないと難しいでしょう。
書いてある事が読めず、お友達のお母さんに聞く羽目に・・・なんていう事になってしまいます。
学校側はまだ書けない子には、先生が書いてあげるなどフォローしますと言ってくれますが、自分だけ書けなかったり、書くのに時間がかかったとしたら、傷ついたり、劣等感を持つことになるかもしれません。

算数の要素で入学前に出来るようになっておくべきことは、100までの数の概念を持つということです。
『教科書の30ページを開いてください』と言われた時に、自分が開いたのが40ページだったとしたら、前にめくるか後ろにめくるか、どのくらいページを飛ばして開くことになるのかがピンと来ないと、とても時間がかかってしまいます。
いつも教科書を開くのに時間がかかるために、あの子は出来ない子という目で周りから見られるようになってしまうかもしれません。

こういうお話をすると、入学前から学習教室に通わせなくては!!と思う方が多いようです。
実際、学習教室の前で終わるのを待っているお母さん達を沢山見かけます。
ひらがなが書けるようになり、簡単な計算も出来るようになっていれば、入学早々に困る事はなくなるでしょう。
ですが親にとって大変になるのは、それから先に待っている『宿題』ではないかと思うのです。
宿題は保護者が丸付けをして、間違っているところを直させて、サインをして提出となります。
3年生くらいになると、計算問題もさっと暗算で解けるものではなくなり、丸付けも大変です。
漢字も宿題のドリルで書くだけだと、一文字を10回くらいしか書かないため、別の読み方や熟語まで含めて覚えるのは難しいですし、書き順は見ていないと正しくできているのかもわかりません。
1年生は毎日のように音読の宿題が出ますが、落ち着いて心を込めて読めば、文脈を感じて理解力が深まりますが、適当にパーッと読んでいるだけではあまり意味がなく、近年小学生の読解力の低下が指摘されています。
読解力は国語だけでなく、他の教科にもかかわる一番大切な力です。

働く親にとっては、宿題や家庭学習をどのようにさせるのかが、とても重要な課題になると思います。
塾に行かせたとしても、塾の宿題もあります。
ですので、一緒に仲良く家庭学習をできる親子関係を築いておくことが、就学までに出来るようにしておくべき一番大切なことなのではないかと思います。